日々の学びが明日の糧に パワーの源はブレない気持ち

大型量販セルフが居並ぶ神奈川・湘南エリアにあって、フルサービスの繁盛店を切り盛りしているのが千葉照国マネージャーだ。湘南菱油切っての現場統率力を持ち、メンバー一丸となって地元給油客の安全・快適なカーライフを支えている。

その実力と人となりは、彼の志からも伝わってくる。

「上の立場の人間こそ、日々学ばなければならないと思うんです。それを拒んだら自身の成長も止まり、責任者としての自覚もモチベーションも途端に崩れてしまう。そんな惰性で切り抜けられるほど、今の時代は甘くはないはずです」と語る。

毎日いろいろなお客さんを見ていると、たくさんの気づきを与えてもらえるのだという。

例えば、同じ70代の高齢者でも、未だガラケーを使っている人と、スマホを利用している人では、表情の豊かさが全く違うのだとか。前者が電話機能しか使っていないのに対し、後者はＳＳのスタッフにも、可愛いお孫さんの写真や動画、ＬＩＮＥのやり取りを嬉しそうに見せてくれるそうだ。

「驚いたのは、おじいちゃん世代の方々が〝今の若い子たちがスマホに夢中になる気が分かるよ。自分ももっと早い時代に出会いたかった〟と興奮気味に話してくれたことです。日々、学ぶことをやめなければ、そういう素敵な境地に至れるのかと感心しました」と振り返る。

日頃から〝他者から学ぶこと〟を重要視している千葉マネージャー。それは現場の人づくりにおいても同様だと指摘する。

「一度役職に就くと、自分の年齢は着実に年老いていきますが、入れ替わり入ってくる学生のアルバイトさんたちはいつも同じ年代です。必然的に世代感ギャップが生まれ、意思の疎通も難しくなってくる。

それを頭ごなしに指示するだけでは、こちらの意図は伝わらず、結果も伴いません。だから辛抱強く、どうすれば心を開いてくれるのかと、常日頃から考えることが本当に大事になってくる。そんな時に、自分のモチベーションを支えてくれるのが、〝私はこの若者から何を学べるのか〟と、素直に学ぼうとする姿勢だと思うんです」

介護生活で変わった 人生観

人に寄り添うこと、相手を思いやる気持ち、そしてブレない精神力。これらはすべて両親から学んだことだという。

実は千葉マネージャー。25歳から15年もの間、ＳＳ仕事をしながら母親と二人で重度の障害（パーキンソン病）を患った父親の介護に向き合ってきた。それも初めの数年間は国から難病の認定がもらえず、貯金を切り崩しながらの生活。筋肉に異常を来す病気ため、全ての動きに介助が必要となり、見た目以上に在宅介護が大変な病だった。

「母親は毎日・毎時間、自分の生活を犠牲にしてまで、父親につきっきりでした。でも、周りの人が驚くほど母親は常に笑顔を絶やさず、穏やかな心持ちで、介護疲れどころか愚痴の類も一言も見せなかった。

ある時、母親に聞いたことがあったんですね。なんでそんなにニコニコしていられるのか？って。そしたら即座にこう答えました。〝だって必ず治ると信じているから〟と。息子心に頭が下がる思いでした。恐らく彼女の中でそれがなかったら全てが崩れてしまうのでしょう。人が生きる意味と強さを教わった気がしました」

以来、人生観が変わったという。仕事場においても相手を思いやる気持ちが芽生え、「どんな人間にも長所がある。ダメ人間なんてこの世にいない」というのが信条となった。

「もしダメな人間だと自認する人がいれば、それは自分の長所に気付いていない人か、自信を無くしてしまったかのいずれかかもしれません。だから人生の先輩である立場の人間が、彼らに寄り添い、その人たちの魅力に気づかせてあげればいいんだと思います」

千葉マネージャーは８年前に運営者交代により入った中途入社組だ。だが、それまでの仕事ぶりが法人客の目に止まり、閉鎖の際には異業種から引き抜きの声も多かった。それでも湘南菱油を選択したのは、自分が得意な能力を研ぎ澄まし、期待を寄せてくれたお客様へさらなる安心と安全を届けたかったからに他ならない。

それがまたさらなる糧になることを実感しています。自分自身、真剣に学びを続けていれば、結果として会社にも利益をもたらすはず。そんな形で恩返しすることができたら、天国の父親にも胸を張れると思います」と話している。

≫≫≫ プロフィール

▶SS業界歴＝27年目

▶趣味＝ビジネスや啓発系の読書。冬は山スキー

▶愛車＝ハイエース（平成11年式／パールホワイト）

▶好きな食べ物＝明太子スパゲッティ

▶もし10万円を自己投資できるなら?＝日頃世話になっている家内にサプライズのおもてなしをしたい

P.216 「EXCELLENT Manager　千葉 照国 湘南菱油 Dr.Drive秋葉台SS（ENEOS系）」より

【 掲載ガソリンスタンド 】

（神奈川県藤沢市石川）