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2023年4月20日
2022年のラストを彩るのは、エイワ石油の女性たち。多様性をキーワードにした採用活動で、女性が増加したという。同社ではセミナーや食事会を開催するなど、女性たちが働きやすい環境づくりを行っている。
エイワ石油(本社=愛知県愛西市)は、県西部エリアで 4CSを運営している。
佐屋町CS(愛西市)、津島白浜CS(津島市)、戸田CS(名古屋市)、イオンタウン弥富CS(弥富市)で、弥富CS以外はフルサービスである。
同社はスタッフをセミナーや研修に積極的に参加させて接客力・技術力を上げることで、油外収益を増大させてきた。
結果、エネ庁長官賞を筆頭に数々の賞を受賞。近年では伊藤忠エネクスの「T1000」(タイヤ販売)や優秀店舗賞(弥富CS)などに輝いている。
また「あいち女性輝きカンパニー」(愛知県)や「健康経営優良法人」(経産省)の認定を受けるなど、職場環境の改善にも注力している。
さらに近年増加している女性スタッフ向けに、初めての「女性スタッフ向けセミナー」も開催した(月刊ガソリンスタンド 9月号で既報)。
今回は同社で活躍する4人の方に話を聞いた。華やかなネイルを施した女性たちも多い。
聞けば、求人情報で「髪色、ネイル自由」と掲載したとか。そのコピーを見て応募した、という女性もいた。
加藤良和社長は言う。「以前だったら絶対認めなかった。でも、良い人材を外見だけで断ってしまうのはもったいない、と。多様性が令和の時代の流れであると考えている」
同社HPの「スタッフ紹介」は、YouTubeが多用されている。その中で、女性で唯一紹介されているのが小山孝予さんだ。小山さんは現在、佐屋町CSと弥富CSを兼務している。
37歳でイオンタウン弥富CSのSSC担当として採用され、その後、接客等も担うようになった。2016年にエイワ石油に運営者交替した以降も、勤務を継続している。
経営が同社に替わって以降、油外販売に力を入れるようになった。価格の見直しも行ったため、客層にも変化があったと推察する。以前は声掛けを避けるお客も多かったが「今はしゃべる機会も多い」と言う。
とは言え、フリ客も多い場所柄で、LINE友だちの登録やEneKey(ENEOSの決済ツール)、スタンプカードからタイヤ等の販売につなげることが多いという。
一方、顧客が主体の佐屋町CSでは「交換時期ですよ」の一言で、タイヤが売れる。損保の資格を持ち、車検のお客に保険を勧めることもできるマルチプレイヤーだ。「アルバイトでも意欲的に働けるような施策を考えてくれている。販売を頑張ろうと思う」と話す。
お客から「柿を持っていきたいけど、今いる?」などと電話がかかってくる。「エイワ石油は温かい感じがいい。みんな仲が良いし、モチベーションも高くて、みんなで頑張ろうという雰囲気がとても肌に合っている」
プライベートでは来春、長女が結婚、双子の男の子も進学と就職と、家族が大きく変化する時期を迎える。
YouTubeの中で、彼女は同社を「昭和のお父さんみたい」と表現している。自身を優しく見守ってくれるエイワ石油で、小山さんは「これからも頑張る」と決めている。
「弥富CSでも、お客さんにアドバイスができるくらい仲良くなれるといいな」が目標だ。
エイワ石油唯一の女性社員が佐久間愛里佐さんだ。同社との付き合いは28年前にさかのぼる。副業で夜間のアルバイトとして同社に入ったことがきっかけだ。
その後、2度の結婚と出産、介護等さまざまな経験を重ね、同社にも出たり入ったりを繰り返した。CSを本業と考えたことはなかった。だが、加藤会長や社長に呼び戻されて、いつも帰ってきた。
前出の小山さんは「佐久間さんの誰にでも物おじせず話しかける接客を見てから、自分の接客が変わった」と話した。「こちらが引くと相手も引く。佐久間さんの接客にはそれがない」
夫で、検査員を務める春夫さんとは職場結婚で、自身も7年前に正社員になった。のべ18年間、佐屋町CSに勤務していたが、10月に戸田CSに異動した。
同CSも法人客が多く、現在は一生懸命、顧客の顔と名前を覚えているところという。
「人生の半分以上はエイワ石油にいる。人生の一部になり、ここがなくなったらダメ」と思うまでの存在になった。
2022年3月、佐屋町CSの事務職として入社した。1人暮らしを始めたことがきっかけという。
電話の取次ぎやレンタカーの受付、車検のデータ入力や納品書の作成、自賠責保険等々「あっという間に1日が終わる」忙しさにもようやく慣れてきた。
「CSってこんなにいろいろやっているんだとびっくりした」と話す。車のことも少しずつ覚えている段階だ。
明るい性格で、いるだけでCSが華やぐ。休日は自分のメンテナンス。美しいネイルは自身で行っているという。
入社してまだ3週間(取材時)の平野湖心さんだが、高校時代に他社SSでアルバイトした経験がある。
高校卒業後、納棺師として働いていた。故人の身体を洗い清め、身支度を整え、死化粧を施す仕事である。「祖父が亡くなった時、奇麗にしてもらった」ことがきっかけで、中学の頃から目指していたという。
「納棺師の仕事は好きだった」が、ブラックな会社環境で続けることができなかった。
CSの仕事とは対極の仕事のようだが「納棺師も接客業」と平野さん。「ご遺族から情報を聞き出し、より生前の姿に近づけることが大切」という。
もっとも、外見は納棺師時代とは対極だ。「髪色、ネイル自由」に引かれたのは平野さん。髪色もメイクも姉が施すネイルも、個性的だ。1月の成人式は、母手作りの着物で臨むという。
常連さんからは「新しく入ったの?」と、よく声を掛けられる。「笑顔で元気に明るく接客すれば、お客さんも笑顔になる。もっと話せるようになりたい」と抱負を語った。
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スタッフのジャンパーには「Only-One Car Life Station Eiwa Sekiyu since/1973」とある。華やかさを増したCSで、唯一無二の存在感を出す同社は2023年50周年を迎える。
P.140 「◎ワーキングビューティー 仕事で輝く女性たち 」より
【 掲載ガソリンスタンド 】
佐屋町CS / エイワ石油(有)(愛知県愛西市)
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