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2024年1月12日
コロナ下からの経済回復の重荷となる燃料油価格の高騰を抑制するため、激変緩和措置として始まった「ガソリン補助金」は、まもなく支給開始2年となります。
これまで繰り返し期間を延長してきましたが、現在のところ今年4月末までの適用が決定しています。
ー 5月以降の延長は?
ー トリガー条項の発動は?
今年も政府の政策動向次第で、ガソリン価格が大きく影響を受ける1年となりそうです。
2023年のガソリン価格も、ガソリン補助金の影響を大きく受けた1年でした。
2023年9月末のガソリン補助金終了に向けて、2023年6月から段階的に補助率が縮小。原油価格の値上がりや円安も重なり、ガソリン価格はレギュラー 183円台まで急騰。
2023年10月以降のガソリン補助金延長が決定し、2023年9月より補助率も再拡充されたことにより、ガソリン価格が再び落ち着きました。
ガソリン補助金が終了となる今年5月以降も、昨夏と同じようにガソリン価格は急騰することになるのでしょうか!?
2023年に支給されたガソリン補助金を確認してみましょう。
2023年1月は、1Lあたり15.6円支給でスタート。その後2023年3月には10円を下回る時もありましたが、10円台を推移。
2023年6月より、ガソリン補助金終了に向けて補助率が下がっていったことにより、10円前後の支給が続きました。
2023年9月には、ガソリン補助金の延長決定、ガソリン補助率を再び引き上げたことにより支給額も上がり、2023年10月には37.6円と、2023年最高額を記録しました。
現在は、原油価格が落ち着いたこともあり、2024年1月のガソリン補助金は15.0円となっています。
2023年のWTI原油価格は、1バレル = 70ドル台を推移していましたが、2023年7月からのサウジアラビアとロシアを中心とした自主減産が、2023年9月には 1バレル = 90ドルを超えるまで、原油価格を押し上げました。
2023年12月には、OPECプラスが2024年の追加の協調減産は見送ったことなどにより、原油価格が下がりました。
2023年の原油価格は、前年と比べると20%近く低下。
2022年はロシアのウクライナ侵攻で原油価格が急上昇しましたが、現在はそれ以前に近い水準まで戻りつつあります。
ガソリン補助金の呼び名が定着しつつありますが、正確には「燃料油価格激変緩和補助金」と言います。
2022年にロシアのウクライナ侵攻を受けて、原油価格が急上昇したことを受け、ガソリン価格が激変することを抑制するための措置でした。
今、原油価格はロシアのウクライナ侵攻前の水準に戻りつつあります。
激変を抑制するための目的が、長期化することにより、「出口が不透明」「もはや激変ではない」などの意見も多く出てきています。
今週 1月8日時点のレギュラーガソリンの全国平均は、171.4円。
≫ 【集計レポート】2024年1月8日(月)時点のガソリン全国平均価格
2024年最初のガソリン補助金支給額は 15.0円です。
ガソリン補助金がない場合のガソリン価格は 186.4円となります。
このままの状態が続くと、ガソリン補助金が終了したゴールデンウイーク頃には、レギュラー180円越えということも考えられます。
ただし、1月8日時点でサウジアラビアがアジア向け原油販売価格を大幅引き下げ、とのニュースも入ってきました。
また、OPECプラスが減産している分、それ以外の産油国が原油生産量を増加して、供給過剰のせいで原油価格は下落するとの見方もあります。
2024年のガソリン価格を動かす要因はどのようなことが考えられるでしょうか。
ー 5月以降のガソリン補助金延長の有無
ー トリガー条項の発動の可否
そもそもトリガー条項を凍結したのは、東日本大震災の復興財源の確保するためとなります。
今年1月1日に起きた能登半島地震への支援を切れ目なく行うため、2024年度予算案では予備費を1兆円に倍増する方向で調整されています。
このような厳しい状況の中、トリガー条項の凍結解除が議論されることが難しくなることも考えられます。
ー OPECプラスの協調減産の動向
ー 中東地域の地政学リスク
ハマスがイスラエルを攻撃してから3ヶ月経ちましたが、現在のところ原油の供給には支障をきたしていないようです。ただ、今後中東情勢が緊迫化していく中で、先行きが不透明でもあります。
このような国内・産油国の状況に加え、円安の問題も絡んできます。
2024年のガソリン価格に期待できる点は少ないですが、今年こそガソリン価格が好転することを期待しつつ、引き続きガソリン価格情報を共有しながら、私たちができるガソリン価格の節約を心がけていきましょう!